2008/08/29

照明部

Photos by Yuuuka Ooosumi

「そらそい」撮影中、数日間だけ彗星の如く現れた屈強な男達。
人は彼らを照明部と呼びます。

彼らは日中は基本的に裸で、下は水着というスタイルでした。
理由を尋ねると、「伝統だから仕方がない」とこれまた男らしい返答が。

本当は皮とか剥けて痛くなるから脱ぎたくないんだけど、
我慢してやっているそうです。
どうですか、この地方の高校の応援団のような心構えは。
なかなか見れたもんじゃありませんよ最近。

海辺で撮影の場合は、レフ版を持って海に飛び込みます。
足がつかなければ、そのまま立ち泳ぎでレフります。
移動中はよくアイスを食べます。
山の上に機材を運ぶのは、じゃんけんで負けた人です。

さらにおそらくリーダー格であろうシンさんという方は、
磯に関する知識が半端ではなく、
暇を見つけては周辺に生息する生物を観察していました。

僕も磯に関してはなかなかうるさい人間なので、
シンさんとはその手の話題で盛り上がりました。
まさか映画の現場で「カメノテは味噌汁にすると結構うまい」
という話ができるとは思いもしませんでした。

あとシンさんは使っているバッグも僕と同じで、
しかも鮫肌の時から使っていると聞いてなんだか嬉しくなりました。

とにかく彼らは僕のヨーヨーや、携帯の待ち受けにしている
友人の顔写真などにも凄まじい勢いで食いついてくれました。

「そのヨーヨーがあれば照明部で4年は食える」
「明日からカチンコやめてカメラ前にヨーヨー投げろ」

等々、ためになるアドバイスもたくさん頂きました。

そして後で編集した映像を見た時に、照明のありなしで
映像こうも違うものかと感激しました。

いやあ、カッコいい人達でした。
一度は抱かれてみたいものです。

2008/08/28

たましいの作品群




キッチンカー万歳!
たましい研究所グラッチェ!

撮影部と録音部

Photos by Yuuuka Ooosumi

こんばんは。有限不実行界のマエストロ、鈴木です。
あのですね、毎日はやっぱりキツいです。
忙しいとか、体調悪いとかもありますけど、何よりもまず飽きます。自分の文章に。

なんかもう一人一人紹介していく形式もダメですね。
面白くないです。

なので今回は3人だ!
これがそらそい撮影部&録音部だ!

先日紹介した斉藤さんに加え、
酒と下北を愛し続ける漆黒のマイク職人、ヨモさん。
そしてなんかこうスラブ系の雰囲気を帯びた撮影助手、泉さん。

彼らは仲良しです。
最初2部屋別々だったのに、壁をブチ抜いて一部屋にするぐらい仲良しです。

図は仲良しの儀式です。
決して性的なニュアンスは含まれておりません。
酒は入ってると思いますが。

泉さんは普段はなんだか気の弱そうな印象で、
師匠に言いつけるぞ言われると極度にビビっていましたが、
いざ撮影が始まるとカリスマでした。

今回はCanonの最新のカメラを使用した訳ですが、
色々不明な点も多く、そんな時は彼の出番でした。

詳しいことはよくわからないのですが、とにかくカメラのことは
彼がいないと何一つ始まらんぞという感じでした。
いないと映画撮れないですマジで。

しかも人一倍気を使っているし、移動とかメッチャ荷物持つし、
イケメンですね。イケメン。

一時期皆から「ゼブラーマン」と呼ばれていました。
僕はクドカンに少し似ているからかなと思っていましたが、
ゼブラをよくいじるからだと教えてもらいました。

その日、ゼブラという概念を知りました。
なんかこうね、光がね、シマシマになるんですよ。

ヨモさんは怪力です。
マイクって僕も一回持ちましたが、クソ重いんですよ。
しかもカメラ回ったら長時間キープですから。
やばいんですよ。重みが。

そしてまあとにかく黒い。
誰よりも快速で黒くなっていく。

そらそい後の沖縄のロケでは、島民に間違えられたそうです。
この調子で行くと、今度は黒人に間違えられるでしょう。
黒さの向こう側にホーム&アウェイが存在することを学びました。

ちなみに日焼けの件で言えば、斉藤さんはスキンヘッドなので、
頭部に直射日光が当たります。
なので頭皮がベリベリ向けるそうです。

それだけです。

とまあ、なにかとダイナミックなエピソードが目立つ彼らですが、
なんと料理の腕前も一流です。

そう、「たましい研究所」です。

何故「たましい研究所」なのか誰かに聞いたら、
「魂込めて作るからじゃない?」と適当に返されましたが、
真偽やいかに…。

とにかく彼らの作る料理は絶品でした。
しかも2回も作ってくれました。

泉さんは冷えたトマトをそのままジュースにするという
隠し芸も披露してくれました。

本当に本当にうまかったです。

2008/08/26

斉藤さん

Photos by Yuuuka Ooosumi


驚異的なマスコット性を放つ録音部のエース、斉藤さん。
ありえない量の飯を食い、あえりえない大きさのTシャツを着ています。

録音豆知識を教えてくれたり、わさびソフトをおごってくれたり、
チーズケーキを作ってくれたりする、これまたとんでもなくいい人です。

ていうかチーズケーキがうまいんだこれが。
下の方がなんかあれなんだ、チョコ風味なんだ。
んでもってサクサクしてんだ。

今回はミキサーだったので、へなちょこカチンコの僕に
カット数を教えてくれる神様のような人物の一人でもありました。

あとバーベキューの時には「たましい研究所」という謎のユニットを結成し、これまたうますぎるご飯をしこたまこしらえてくれるのでした。

地元の子供たちに「魔人ブウだ!」と叫ばれても、
チョコにしないあたりが大人だなと思いました。

とにかく、この方を含めスタッフと呼ばれる人々は
日中いくら撮影がキツくても朝まで酒を飲むあたりがやばいです。
それでいてこの笑顔ですから。
鉄人とはまさにこういう人達のことを言います。
なんにせよ、そこらへんの人にできる仕事じゃないです。

2008/08/24

志賀さん


前回の平本さんに関する記述について、
ちょっと持ち上げ過ぎじゃないのか?
何を考えているんだ?大丈夫か?
気を使っているのか?
それとも脅されているのか?

などの声がナイス社内から噴出している模様ですが、
そんなはずがありません。

尻から血が出るほどの感謝と尊敬の念が、
いつのまにかあの様な文章を紡いでいたのです。
ご安心下さい。


さて、写真は僕が今回お世話になったランキング同率1位、
助監督の志賀さんです。
少し酔っているのでロックなテイストを帯びています。

現場では平本さんと志賀さんとの3人部屋で愛を育み合いました。

完璧なまでに整理整頓された志賀さんゾーンと、
完璧なまでにカオスで、万年床の方が逆に清潔だという独自の理論に基づき、布団すらたたもうとしない平本さんゾーンの間に挟まれて、腐海の侵蝕をどう食い止めるか考え、結果共生する道を選んだ日々。

気分はまさに風の谷でした。

志賀さんはとてつもなく忙しいにも関わらず、僕にエクセルの使い方とか、どういう地図がいい地図かとか、本当に色んなことを嫌な顔一つせず、丁寧に丁寧に伝授してくれました。

僕がロケ地に置き忘れたクーラーボックスを回収しに車を出してくれたのもこの方でした。

あと何より印象深いのは「オッケー出し」と呼ばれる
CMの世界では基本とされている技の伝授です。

役者さんが缶を手で持って飲んだ時に、
ロゴが綺麗に見える缶を抽出する作業。
これを「オッケー出し」と呼びます。
どのあたりがオッケーなのかは聞き忘れましたが、
なんとなく雰囲気で納得できるので皆さんもして下さい。

そういえばこんなこともありました。

夜に監督も生徒も海で泳いでみた日があったのですが、女の子やヒョロイ男子は波打ち際でいつまでもキャイキャイやっており、育ちがワイルドな僕はそれでは飽き足らず、あとちょっとおしっこがしたかったのもあって、沖合まで泳いで行きました。

そして結構遠くの方に浮いている、
人口の島みたいなところまで勢いで行ってみることにしました。

そのぐらい海慣れしてる方がモテると思ったのもありました。

島に到着し、横たわり、月を眺めて疲れを癒す、
最高にカッコいい瞬間です。

しかし誰も見ていない。
波打ち際ではしゃいでいる。

寂しい。

そんな時、島まで泳いでくる人影。
志賀さんでした。

僕は泣きそうになりました。

そのあと二人で島からジャンプして前回りしながら飛び込んだりしました。
志賀さんは2回もやっていました。

やっぱり誰も見ていませんでしたが、
そんなことはもうどうでもいいです。

うん、やっぱりよくないです。
だからこうして今書いているのだと思います。

2008/08/23

平本さん

      Photos by Yuuuka Ooosumi

まずはこの方。
今回の黒幕。我が師。プロデューサー兼一人制作部。
平本ソーイチーロー氏。

現場では写真の様な表情で空気を引き締めていた彼ですが、
本当は物凄くピースフルなマインドの持ち主であります。

ガラスなどへの映り込みを防ぐため、スタッフは現場では
極力黒っぽい服を着るのが定石らしいのですが、
この方だけは基本的に赤かオレンジしか身に纏いません。

そのぐらいポジティブです。

ナイス作品ではこれまでほとんどのメイキングを監督しており、
僕が愛してやまない「山よ」のDVDもこの方が作ったそうです。

他にもスキーがとてつもなくうまく、映画「銀色のシーズン」では
役者にスキーやそれ以外のことを伝授しまくっていたとの噂です。

僕にも本当に色んなことを教えてくださり、
ミスっても遅刻しても決して怒らず、
挙げ句の果てにはいつもありがとうと言ってくれたりもしました。
だからもう、頑張るしかありませんでした。

そして「そらそい」ではついに役者デビューを果たし、
上半身裸で雲を自在に操る男、
ヨイショさんを見事に演じきりました。
そしてその弟子の役を、僕がやらせていただきました。

どんなに徹夜を重ねても、
体を壊したことは一度もないという師のガッツ。

お金を払ってでも体得したいものです。

2008/08/22

よいしょ

すっかり更新が滞ってしまいました。
理由は旅行に行っていたことと、完成台本の打ち込みという、またしても重要な任務を授かり、狂った様に取り組んでいたことです。

しょこたんペース宣言をしたにも関わらず申し訳ありません。

なにはともあれ、編集は順調に進んでおります。
日を追うごとに確実に面白くなっています。

10分に18時間とかかけてるそうですよ。
やばいやばい。

でもなんかそれぐらいやっちゃう気持ちもよくわかります。
素材が間違いなく面白いですもの。

さらにハワイ映画祭にも正式に出品が決まったらしく、
となると海外での公開も視野に入ってくるそうです。

いいんでしょうか。僕、出てますけど。
しかも裸で。

とにかくそれならば尚のことブログです。
書かなきゃ。書かなきゃ。

しかし時系列に沿っての更新もそろそろ限界を感じてきたので、
これからはとりあえず写真をランダムで載っけて、それを見て思い付いたことなどをダラダラと書いていこうかと思います。

今度こそ、一日一回の更新を目指します。
応援宜しくお願いします。

2008/08/12

ロケハン2日目

ロケハンって何の略だかわかりますか?
そうですよ、ロケーションハンティングですよ。

映画で使うロケ地を、ハント、つまり狩る訳ですね。

先行ロケハンの時点で、ハンターは紛れもなく平本さんでした。
そしてボランティアの僕は何なのか、それは犬でしょう。

そんな私が、犬として機能し、嗅ぎ付けた土地が、上の写真です。
これはなんか本当に、途中までは皆で行ったんですが、
この上行ったらなんかよさそうだなと思って一人で勝手に上って、
そしたら本当にいい所だったので自分でもビックリしました。

写真はその見つけた土地に監督達を案内しているところなわけですが、結局ここは採用となり、劇中でもいい感じに登場します。

自分が見つけた土地が映画に登場する喜び。
制作部の魅力とはつまりこういうところにあるんだなと思いましたね心から。

さてそんなわけでロケハン2日目ですが。
とりあえず覚えているのは駅に行ったと言うことです。

電車に乗るシーンがあるのでその確認だったのですが、
さすがに全員で電車に乗ると高くつくし邪魔なので、
生徒何人かと僕はその場に残って待機ということになりました。

小一時間経過し、散歩も飽きて地面にしゃがんでダベり始めた頃、
平本さんが迎えに来ました。

しかし一度に全員は車に乗せられないのでという理由で、
女の子だけ連れて行ってしまいました。

あの時の彼の表情は、今でも忘れません。
そして雨が降ってきました。

取り残された僕とツバサは、なにかと暗い話をして過ごしました。
そして電車さんが迎えに来てくれて、そのまま皆で一緒に東京に帰りました。

帰りに録音部の斎藤さんが買ってくれたわさびソフトが、
お腹の中で盆踊りをしていましたが、
なんとか無事に帰還できてよかったです。

本当に楽しすぎるロケハンでした。
至れり尽くせりとはこのことだと、妹に教えてあげたくなりました。

うさぎやのごはん

うますぎる「うさぎや」の飯の数々。

1、伊勢エビチリ


2、アワビのなんかすごいおいしいやつ


3、咲き乱れる刺身


などなど。

ロケハン1日目


7月6日(日)
ロケ地は松崎町に決定し、監督や生徒さんスタッフさんを何人か連れてのロケハン。
泊まりで行って、同時にアングルチェックなども行ってしまうとのこと。

アングルチェックって、何かもう響きだけで映画っぽいっすよね。
でへへ。

朝7時、新宿に集合。ツバサ、遅刻。
全員に謝りまくり、その後車の中でも一言も喋らず。

なんだかんだで気配り上手な平本さん。
「もういいよ、落ち込んだフリしなくて。演技にしちゃ下手だぞ?」

しばらくしてツバサ、何の前触れもなくジュースをこぼす。
自身の車をこよなく愛する平本さん。
「お前ほんと今日ロクなことしねーな!」

まあ何と言いますか、
プロデューサーと役者がこういうやりとりができてしまうのも、
実は結構凄いことなんだろうなと思いながら、笑って見てました。

ちなみに僕自身も朝、かなりギリギリに到着して焦ったのですが、
ツバサが全てかき消してくれたので実は物凄く感謝していました。

松崎の旅館周りを皆で一通り見て回り、昼食をとり、
午後は街や漁港を散策して、その後下田の方に移動しつつ数カ所見て回り、

ってこんなこと今更書いても仕方ないですね。
とりあえず下田にいって、前に来た時にもお世話になった「うさぎや」さんでご飯を御馳走になりました。

このご飯がまた、やばかった。
豪華すぎるわ、うますぎるわ、なんやかんやで大騒ぎ。

だってエビチリのエビが伊勢エビっすよ!
アワビとかサザエとか、刺身もデラうまっすよ!

皆うまいうまい連呼で、アッちゃんなんぞ人生で一番うまいと言ってました。
僕もあまりにもおいしくて残すのがもったいなすぎるので、わざわざ外に出て散歩して腹ごなししてからまた食べてとかやってました。

うまかった!
デザートのところてんソフトもうまかった!

その後旅館に移動して、皆で同じ温泉に行きました。
この温泉がまたよかった。

千人風呂という広ーいお風呂で、深さが胸ぐらいまであって立って入れて、だから千人入れますと言うことで千人風呂らしいのですが、もちろん座れる風呂も露天もあって、照明がまたよくて、とにかくよかったんですよ。

この日は本当に誰もがこんな幸せでいいのかと思いながら眠りにつきました。
ツバサくんもすっかり朝のことは忘れた様子で、幸せだなあと言いながら話の途中で寝てました。

いい日でした。

いやいやいや

本日、ナイスに行ってきました!
そして仮編集したものを拝見させていただきました。

とんでもないです。これは。
いやほんとに。

客観的にはもちろん見れませんが、どう考えても面白いです。
これまで色々見てきましたが、ことに笑いの質に関しては新鮮でした。

ここは笑う所です、はい笑って下さいという感じがまるでしない。
なんかもう各自適当に面白いとこ見つけて勝手に笑って下さいという感じ。

作為ではなく、引き寄せて作ってますね。
あの人達は。笑いすら。

一方、本筋はあっさりしていてケレンミがなく、クールでした。
ジャパニーズビューティーでした。

これは完成がますます楽しみです。

しかも上映後にその場で手直しするポイントを指摘する作業をしていて、そんなものまで生で見れて僕はもう本当に幸せでした。

現場で目の当たりにした演出マジックに加え、編集マジックがあるわけですね。映画には。

見れるだけ見て何かの肥やしにしたいものです。

しかしまあ頂いてばかりではダメなので、自分の仕事をします。
ブログを書きます。
まずはロケハンについて。

2008/08/08

恐怖!中学生女子

夏にふさわしく怪談をひとつ。

温泉につかり、身も心もかなりさっぱりした彼らは、
その日は3人とも特に用事もなかったので、
そのまま近所の公園でダンスの練習をすることにしたそうです。

公園では、近くの中学校の女バスと思われる集団が既におり、
部活動の練習に勤しんでいたわけですが、
邪魔にならない端っこの方で、彼らは練習を開始しました。

しばらくすると、女子中学生の方から朗らかに

「何やってるんですか?」

と質問を投げかけてきたので、彼らも笑顔で

「僕ら大学のダンスサークルで、ダンスの練習してるんですよ」

と、役柄に合わせた応答を繰り広げてみたそうです。

すると彼女達は、「ダンスならうちらもできますよ♪」

と言って、体育祭か何かで練習したと思われるロックソーラン的なものを、とびっきりの笑顔で披露してくれました。

彼らも「うわすげえ!」と、
ケータイで写真を撮りながらはしゃいで鑑賞しました。

ここまではいい感じでした。
しかしここからが悪夢の始まりでした。

まず彼女達は自分らがひとしきり踊り終わると、
「今度はあんたたち踊んなさいよ」と、
無理な要求をふっかけてきました。

踊るも何も、彼らはダンスサークルでもなければ、
踊りもついさっき練習し始めたばかりなのです。

「とりあえずすぐには無理だから、1時間練習させてもらえる?」
リュウがそう提案し、向こうもそれを承諾しました。

1時間後。
全く踊れるようになっていない3人。

「いや、無理だなこれ。 …逃げるか?」

そう言ったと同時に全速力でダッシュするリュウ。
あとを追うツバサ。
スーツケースとギターを担ぎ、必死についていくアッちゃん。

しばらく走って逃げた後、
そんな自分達がちょっと面白くて笑い合い、
何の気なしに後ろを振り返ると、
先程まで無邪気にバスケの練習をしていたあの子達が、
冗談など微塵も通用しなそうな、
鬼の形相で追いかけてくるではありませんか。

「は!?ふざけんなよ!!おめーら死ねよ!!」

汚い言葉を止めどなく排出しながら、
怒涛の猛追を展開する彼女たち。

そのあまりの真剣さに命の危険を感じた彼らは、逃げました。
必死で逃げました。
逃げて、団地の駐車場にとめてあった車の後ろに身を潜めました。

「おいどこだよ!!出て来いよ!!」

刻一刻と迫りくる鬼の包囲網。
炸裂する連携プレイ。

「いたし!!」

ついに発見され、一瞬で囲まれ、睨まれ、
その芸術的なまでのフォーメーションは、
まさに日頃の練習の賜物だなと、感心するほどでした。

「お前らマジキモいんだよ!」

「すいません」

「何逃げてんだよ!」

「すいません」

「さっき撮った写真消せよ!」

「はい、消します。はい、消しました」

「笑ってんじゃねーよ!」

「すいません」

「うちの兄ちゃん高校生だから、今から呼び出してボコしてもらうかんな!」

「すいません、勘弁して下さい」

「あ、先生だ。先生〜!この人達マジキモいんです!!」

「あのすいません!マジで勘弁してください!!!」

そんなやり取りを繰り返しつつ、何度も謝り倒し、
ようやく解放された彼ら。

アッちゃんとリュウは面白過ぎる状況に終始半笑いでしたが、
ツバサはマジ凹みだったそうです。

「あんないい子達が、あんな風になるなんて。。」

「いや凹みすぎでしょ完全に!笑」

「ていうかさ、一番キレてんのが一番ブスだったよね」

「そうっすよね!そうっすよね!笑」

モテない三人組は、こうした実践を経て、
その役柄を固めていったのでした。

俳優を目指している方は是非参考にして欲しいと思います。

ちなみにアッちゃんはその後も何度かうちに泊まりに来ましたが、
駅を出るたびに中学生を警戒しているのには笑いました。

2008/08/04

ある日の出来事

   Photos by Yuuuka Ooosumi

先行ロケハンの2日後である、6月27日(金)に、
いつも通り中野でワークショップが行われました。

その日は今までやって来たショートフィルム的なものの集大成として、照明を入れて、カメラもちゃんとしたので、まさに本当っぽく撮るという日でした。

急に雰囲気がプロっぽくなったため、演技が堅くなるのかと思いきや、むしろ皆さん水を得た魚の如く生き生きと演技していたので、私はとても驚きました。

でもそんなことより何より、
生まれて初めて持った録音用のマイクが重すぎてビビりました。

その夜、ご飯を一緒に食べたりしているうちにすっかり仲良くなってしまった、アッちゃん、ツバサ、リュウの三人(写真左から順)が、なんとなく成り行きで家に泊まりに来ることになりました。

僕は次の日朝から事務所に行ってその後バイトの予定だったので、朝わりと早く出ることになるけど平気かどうか確認し、三人とも「当たり前でしょ」と了承した上でのことでした。

しかしそこはまあ年頃の男子のお泊まり会なので、そう簡単に眠りにつくはずがありません。ワークショップの女の子がどう考えてもカワイイという、むしろお前らがカワイイぞと言いたくなるような会話に始まり、深夜に隣の家から聞こえてくる女性のうめき声(しかもあからさまに猿ぐつわをされている)を怖がって騒いだり、ギターを弾きながらアドリブで歌詞を考えて、さらに別の人がそれにコメントを加えるというゲームを、数時間ぶっ続けでやったりしているうちに、気付くともう朝の5時になっていました。

これはもう寝ない方がいいな、などと言っているうちに急に睡魔に教われた3人は、それぞれ思い思いの格好で眠りについてしまったので、私は仕方なくソファーで3時間ほど仮眠をとり、9時頃皆を起こしにかかりました。

が、起きねえ!!

叩いても起きねえ。
叫んでも起きねえ。
叩くと叫ぶって漢字似てるな。
跳んでも跳ねても起きねえ。
漢字一緒だな。
泣き真似しても起きねえ。
爆音でロックかけても起きねえ。
何しても起きねえ。
3人とも起きねえ。

いくら仲良くなったとは言え、うちに初めて来た人達をこのまま誰もいない我が家に放置して出発していいものか。しかし既に家を出なければならない時間は過ぎており、事務所の皆さんが待っているのだ。どうする自分。

考えた末、なんか食卓にあるもの適当に食っていいよ、あと家のそばに温泉あるよと親切過ぎるメールを残して、昼頃帰宅する予定の母親にもその旨を連絡して、家を去りました。

12時頃、そろそろ起きたかと思い電話をしても誰も出ません。
14時頃、母親から「今出てったよ」のメールがありました。
夕方頃、「起きなくてごめんなさい。手紙を書いたので読んで下さい。温泉行ってきます」というメールが来ました。

帰宅後、食卓の上に、クリリンとうんこが描かれた紙切れが乗っていました。
ゴメンね、怒らないでね、冷蔵庫のオレンジジュースも飲んじゃった。バナナを食べたのはツバサです。
などと、どこからどうみてもカッコ良くない仕上がりでした。

3人は映画内で「ポテンテ」というダンスサークルのモテない3人組を演じることになっているのですが、これは早くも完璧なまでの役作りだなと、呆れ半分に感心してしまいました。

でも撮影が終わった直後に話していたことなのですが、この日うちに来たあたりからいい感じに打ち解けたよねということだったので、まあこういった意味での貢献もボランティアの活動の一環として幅広く解釈できる大きな人間でありたいと思います。

まあ普通に楽しかったですし。
冷蔵庫のもん食ったらあたしに言えって母ちゃんちょっと怒ってたけど。

しかし!
事件はこれだけではなかったのです。
私がいない間に、うちの近所で彼らの身に何が起きたのか、その模様を、本人達にはもちろん無許可で好き放題に掲載していくつもりです。
それぐらいしてもいい程度の恩はきせたつもりなので、もはや遠慮はしません。ふふふふ。

2008/08/01

ツバサとイカ



まだイケメンだったころのツバサくんと、
とれたてのイカ。

彼は役の関係で、このあとその姿を、印象を、
ガラッと変えてきます。

にしてもイカはうまかった。
なんかね、もうね、透明なんですよ。

ちなみにツバサくんの後ろで膝立ちしているのはもちろん、
自分です。

先行ロケハン2


当時、松崎の他にもう一つ候補に挙がっていた漁村にある、渋すぎる旅館。

ここのおじちゃんおばちゃんは本当にあったかい人達で、見ず知らずの我々に、とれたてのプリップリのイカを振る舞ってくれました。

本当にうまかった!甘かった!!

その後ブラブラと街を歩いていると、
右手にイカの入った袋をぶら下げた謎の老人が現れ、
「俺ぁ、船にペンキ塗って、代わりにイカもらってんだ」
などと面白すぎる話をカノにばかり投げかけながら、
付き人の如くずっと一緒に歩いていました。

さらに下田に移動し、平本さんが許可取りや挨拶を一人でバリバリこなしているうちに、我々は「うさぎや」さんでアイスやらコーラやらをたらふくご馳走になり、帰りの車は爆睡し、ロケハンっていいな、などと甘っちょろい考えも頭に浮かべずにはいられない、楽しすぎるあれはもはや小旅行でした。

平本さん、つくづくありがとうございました!

先行ロケハン


6月25日 先行ロケハン
今回、プロデューサーと制作部の仕事をたった一人でこなしきった超人、平本ソーイチローさんに連れられて、伊豆へ。

平本さんと僕の他に、生徒の中からカノとツバサの二人が参加。
写真は松崎の漁港です。

写っているのはもちろん、自分です。