

ハワイにいたのは5日間。
うち『そらそい』が1回と『山のあなた』が2回、
それぞれ別の日に上映がありました。
そしてその合間にパーティがあったり、
高校で授業をしたり、ラジオに出演したりと、
なんだかんだで全体的にハードなスケジュールでした。
今回はそのうちの一つ、パーティについてのレポートを。
あれは何日目だったでしょうか。
そう、2日目。
やはり『そらそい』上映後ですね。
ハワイ映画祭プロデューサーのアンダーソンが
「今夜うちのボスの所でパーティがあるけど来ないか?」
的な話を持ちかけたらしく、一同夕陽を見てホテルに戻った後、
おいしい中華料理を腹いっぱい食べて、
そのまま車でパーティ会場へ向かったのでした。
しかし僕を始め多くの役者陣はそのことを全く把握しておらず、
まさに不測の事態。
気付けばホノルルからやや離れた丘の上の高級住宅街にある、
(まずここに入るのにも検問みたいなのがあった)
これまたその中でも一際目立つ豪邸の前に立っていました。
招かれるままに家の中に入ると、
部屋中まるで美術館かと言わんばかりの
コレクションが散りばめられ、
(後々話を聞くうちに、それらが本当に何千年も前の
遺跡の一部だったりすることが発覚…!)
貴族達がゆるりとした表情でいらっしゃいとばかりにワインを!
そしてなにか見たことのないチーズを!
かじってらっしゃる!
そしてここで僕は気付きました自分の格好に。
ジャージでした。
まさかこんな所に来るとは知らずに、
映画館で冷えた体を温めるべく装備した黒いジャージ。
プールが光ってるそんな家の洒落たパーティーにジャージ。
「なんかでも逆にここの家の人っぽいよ!」
というリュウの優しい励ましを信じて、
とりあえずジャージで美術品を鑑賞し、
ジャージでワインに舌鼓を打ち、
ジャージで愛想笑いをふりまいてみました。
しかしまあ、5分で力尽きました。
上海から来たという美女2人も、こちらには目もくれません。
あたりを見渡せば女優陣は
それぞれお金持ちにマンツーでマークされ、
たどたどしい英語での受け答えがさらに可愛らしく、
最終的には名刺とかアドレスとかそういった段階へ。
監督陣も監督陣で美術品の説明などを熱心に受けています。
僕は一人庭で夜空を見ています。
しかしここでふとした想いが胸の中に芽生えました。
お前はこのまま帰ってもいいのか?
この先もそんな風に小さくまとまって生きていくのか?
そんな胸の内を同じく力尽き始めていたリュウに打ち明けていると、そこへ一人の金持ちがやってきて言いました。
「Let's go swimming!!!」
「そういうこと言うと本当にやりますよ?!」
何故か日本語で受け答えしながらズボンを脱ぐリュウ。
そういうことなら、そういうことでしょうよと。
そして、二人でプールサイドで肩を組み、
ダイブするまでを捉えた写真が上の2枚です。
撮影はカノ。
この時彼女はプールの横のジャグジーに足を浸しながら
お金持ちと二人でお話をしていました。
むこうは温水だったそうです。格差歴然。
外国のブルジョワジーに日本の大学生のサークル文化を
見せつけてやるべく脱いで飛び込んではみたものの、
その反応は思った以上に薄く、
「なんであんまり笑ってないの!?」
とリュウの悲鳴も空しく、
「パンツも脱げー!」
というリクエストそのままにプールからパンツを放り投げ、
ケツ出して平泳ぎもやはり反応は今イチで、
最後にパンツを取るべくプールからほふく前進で
はい出した時が一番ウケるという、
なんかもうピエロもいいところよ!
と泣き出したくなる惨状でしたが、
まあなんだかんだでやってよかったです。
ちなみにお金持ちはお金持ちな上に皆さん本当にいい人で、濡れウサギの様な僕たちにタオルとシャワーを快く貸してくれました。
シャワーのお湯からは、温泉の臭いがしました。
ほんともう、とことんだなと思いました。
帰りの車で三木さんに
「このままだと僕の存在が消えちゃう!
という君らの焦りがとてもよく伝わったよ」
と慰めていただきました。
斎藤さん(100kg超級)にも感想を求めると、
「あと少しで俺も行くところだった」
と言われ、そうしたら水しぶきの量などで
圧倒的に食われていたので危なかった。
と胸を撫で下ろしました。
ちなみにリュウは飛び込む寸前とその後に、
自作の映画『つつましき生活』(今年度PPF入選)
のDVDを片手に、誰に渡せば一番凄いことになるかを
ずっと一人で見定めていたのですが、
最後の1枚を「リチャード・ギアの兄貴」と名乗る人物に
思い切って手渡し、満足げホテルに戻って来た矢先、
女子に「あれは冗談で、あの人ただ似てるだけだよ」
と教えられ、本気でショックを受けていました。

0 件のコメント:
コメントを投稿